狂乱邪曲セレナード

芸能街の表界隈にある「あいどる稼業」という茶屋で、

売春の名も知らない聖女達が夢を情夫に日々青春を繰り返して生きている。

その末路を我々は如何にして見届けることできようか。

あいどる茶屋の望蜀方途的繁盛の裏影、

一部例街では身から出た錆を舐め続け感覚麻痺を患う輩が後を絶たない。

今宵も夢の錦を被った邪鬼共が

金銭を懐に蓄えほくそ笑み、めくるめく社街を練り歩く。

その零れ幸いに有り付こうと

必死に乞う者が、何を隠そう

我々である。


(妄言多謝!)

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アサイド

産み分けられて、3

「チカムうぅ~! 今帰りなの? イータイミング!!」

「わっ、ミラさぁーん! 久し振りじゃないデスカ~、 何か前の時より極美脚ぽくなってるよぉ!?」

「もう、チカムーちゃんっ! 中学通いでお世辞覚えたのかな~? ほっぺ出しな、花マル書いてあげるっ。」

「きゃははは、やだぁ。まだロクに敬語もワカンナイデスよう~!」

ああ。なんだ、この違和感。この二人の馴れ馴れしい会話には相変わらず入っていけない。というか、さっきまでの親子ゲンカで不機嫌な件どこ行ったんだよ。何か俺の無意味な帰宅路、全国イチな気分する。

続き

産み分けられて、2

世界は本当に素晴らしいと身が震えるようだった。親切な医療スタッフ、温暖な気候、住みよい現地では何をするにも自由で開放的な気分。家族と離れる寂 しさはあったけど、そのかわり私をみじめにする人間は誰一人もいなかった。

ずっとずっと望んでいた、家族中の願いが叶うことを最優先にして国を越える決断をしたのよ。どれだけ苦しんで産みたくて悩んだと思っているの…。

でもその分、何千倍もの喜びと幸せを私達に与えてくれたのは、何よりあなたの命だった。それだけで満足だった、そう本当に思っていたはずのに、いつの頃からか見抜かれていたんだわ。

心のどこかで、あなただけは私の思い通りに、そうなるような気がしていたのかもしれない…。六つ上の姉妹達と違って。

けど私達夫婦は出来上がりの姿をポンと選んだわけじゃない。同じように慈しんで教え育んできたつもりなのに、あの子一人何が不満だというの…。

産み分けられて、1

おなかに いっぱいの愛情と幸福と希望を詰め込まれて、産まれてきた赤ちゃん。

誰よりも恵まれて嬉 しくって、たくさんの心配や不安にも向き合って精一杯育んでくれた親心は尊くて無敵で、温かかいはずだった…。

「アンタなんて産むんじゃなかったわ~とか言われて、嘘でもショックで親と大ゲンカしちゃって泣かされたんだから。」 彼女が一昨日の話を熱っぽく語って来る。

聞いて、一瞬 うらやましいなと思った。彼女には言えなかったけれど、俺にはそれ以上最も残酷で恐ろしいセリフが待っているような予感がしていたから。

そう、嘘は最初から俺には無い。彼ら人間の都合に選ばれただけで、望まれなければ単純に切り捨てられる運命だ。

「あの時、アンタ選んで損 したわ。」

命、どう しようもない、俺。

追憶のイモ次郎

ある所にイモ次郎という名の若い者がおりました。同じ兄弟で長子のイモ彦は品も良く精悍な容姿を持ち合わせておりましたが、ことにイモ次郎ときたら不粋で不器用・愛嬌も無く仲間どころか家族にも相手にされないほどでした。

The potato
しかし、そのようなイモ次郎にも青春の幕が開く季節が訪れます。神というのは誰にも等しく舞台を与えてくれるのでありがたい、と初め殊勝に念じておりましたイモ次郎でしたが大きな誤算に見舞われることになります。
続き

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